猫の餌入れを100均で選ぶコツ|高さ・素材・表示ラベルの見方と注意点

538人の猫の飼い主に食器の高さを尋ねたアニコムのアンケートでは、87%が何らかの形で高さを調整していると答えています。

いちばん多かった高さは10cm、平均は8cmでした。専用の食器台を買わなくても、器の高さや形を工夫している飼い主が多いことがわかります。

100円ショップにも、ペット用のフードボウルや人間用の小鉢がたくさん並んでいます。この記事では、獣医師監修の情報や公的なガイドラインをもとに、100均で猫の餌入れを選ぶときに見るポイントを整理しました。

品ぞろえや価格は店舗・時期によって変わるため、特定の商品よりも「売り場でどこを見て選ぶか」を中心にお伝えします。

最初に決めるのは「高さ」と「口の広さ」

猫は四本足で立つため、食道が地面とほぼ平行にのびています。食べ物は食道の筋肉の動きで胃へ送られるので、頭を低く下げた姿勢は飲み込みにくさにつながるとされています。

床に直接置いた浅い皿だと、頭が胃より下がった姿勢で食べることになります。吐き戻しが気になる猫や、関節に負担がかかりやすいシニア猫では、器を少し高くする工夫がよく紹介されています。

高さの目安は、猫の立ち姿を見て決める

獣医師監修をうたう猫用食器メーカーの製品を見ると、脚のないボウルで高さ4.6cm、脚付きで6〜7.5cmといったサイズが並んでいます。

ただ、ちょうどよい高さは体格によって変わります。数字だけで決めず、猫が立ったまま首を軽く下げるだけで器の底に口が届くかを見てください。

前足を踏ん張っていたり、肘を大きく曲げて食べていたりするなら、もう少し高くしてもよいサインです。

100均で高さを出すなら、器を載せる台を別に用意する方法があります。重さがあって倒れにくく、猫が前足をかけても滑らないものが向いています。

「ひげ疲れ」はどこまで気にする?

深くて口の狭い器だと、食べるたびにひげが縁に当たり、それを嫌がって食べ残すことがある、という説があります。「ひげ疲れ(ウィスカーストレス)」と呼ばれ、浅くて広い器がすすめられる理由のひとつです。

一方、米国の研究チームが猫38匹のデータを分析した研究では、ひげに配慮した器に替えても、食べる時間や量、こぼす量に目立った差は見られませんでした。

ただし、2つの器を並べて選ばせると、38匹中24匹がひげに配慮した器のほうを好んでいます。食べ方は大きく変わらなくても、好みとしては浅く広い器を選ぶ猫が多い、と受け止めるのがよさそうです。

100均でも、直径が広めで深さの浅い取り皿や小鉢は見つけやすい形です。いつもの1食分に対して、ひと回り大きい直径を選ぶと、ひげや顔が縁に当たりにくくなります。

100均で見つかる素材を比べる

100円ショップの食器売り場やペット用品コーナーには、いくつかの素材の器があります。それぞれの向いている点と、気をつけたい点を表にしました。

素材向いている点気をつけたい点
陶器・磁器重さがあって動きにくい。傷がつきにくく、においが残りにくい落とすと割れる。欠けやひびが出たら使わない
ガラス傷がつきにくく、汚れが目で見て確かめやすい割れたときの破片に注意。軽いものは滑りやすい
ステンレス割れにくく、軽くて洗いやすい軽いので動きやすい。素材が合わない猫もいる
メラミン・プラスチック軽くて割れにくく、値段も手ごろ傷がつきやすく、傷に汚れや細菌が残りやすい
木・竹(台やトレー)見た目がやわらかく、器を載せる台に使いやすい濡れたまま置くとカビが出やすい。食器洗い機が使えないものがある

獣医師監修の解説では、プラスチックの容器は傷がつきやすく、洗っても汚れが落ちきらずに細菌が増えたりカビが生えたりすることがあるとして、ガラスや陶器への変更がすすめられています。

また動物病院のコラムでは、プラスチックやステンレスの素材に反応して、あごにブツブツ(いわゆる猫ニキビ)ができる猫もいると紹介されています。

どれにするか迷ったときは、ある程度重さのある陶器か磁器の小鉢から試すと扱いやすいはずです。食器以外に100均向きのグッズを知りたい場合は、100均で買える犬猫グッズの選び方も参考にしてください。

買う前に裏返して見たい表示

100均の器は、底のシールや台紙に品質表示が付いているものが多く、選ぶためのヒントがまとまっています。

プラスチック製の皿などは、家庭用品品質表示法で「原料樹脂の種類」「耐熱温度」「取扱い上の注意」を表示するよう決められています。売り場では、次の点を確かめておくと安心です。

  • 材質:陶磁器、ポリプロピレン、メラミン樹脂など、何でできているか
  • 耐熱温度:熱めのお湯で洗っても大丈夫か
  • 電子レンジ・食器洗い機の可否:ウェットフードを温めるなら特に確認
  • 注意書き:「濡れたまま放置しない」「強い衝撃を与えない」など

木や竹などの天然素材を使った台には、カビや虫が発生するおそれがあるとして、濡れたまま置かないよう書かれているものがあります。水をこぼしやすい猫なら、台は拭き取りやすい素材を選ぶと手入れが楽です。

たとえばダイソーの公式オンラインショップには、高さを2段階に変えられる税込550円のフードボウルが掲載されています。天然素材を使っているため、カビへの注意や食器洗い機を使わないことが明記されています。

店頭に同じ商品があるとは限らず、価格や仕様が変わることもあります。買う前に、その場でパッケージの表示を読むのがいちばん確実です。

こんな器は使わずに替える

100均の器は手ごろな分、気軽に買い替えられるのが良いところです。次のような状態になったら、洗って使い続けるより新しいものにしましょう。

  • 縁が欠けている、ひびが入っている
  • 内側に細かい傷が増えて、洗ってもにおいが取れない
  • 表面の塗装やコーティングがはがれてきた
  • 台がぐらつく、滑り止めが外れかけている

欠けた陶器は、猫が気づかずに口や舌を当ててけがをすることがあります。洗うときに縁を指でひと回りなぞる習慣をつけると、小さな欠けにも気づきやすくなります。

割れた破片や外れた滑り止めのゴムは、猫が口に入れて飲み込まないよう、すぐに片付けてください。

電子レンジで温めたあとは、フードだけでなく器も熱くなっていることがあります。やけどを防ぐため、器とフードの両方に手で触れて、熱くないことを確かめてから出しましょう。

洗い方と置き場所で、同じ器でも使いやすさが変わる

環境省のペットフード・ガイドラインは、フードの残りかすや水分は微生物が増えやすい場所になるとして、使った食器は洗って乾かし、清潔な場所に保管するよう呼びかけています。

缶詰やレトルトなどのウェットフードは傷みやすいため、器に出してから20分程度を目安に片付けるよう示されています。出しっぱなしになった器は、次の食事の前に洗っておきます。

同じ器を2つ用意して、1つを洗って乾かしている間にもう1つを使うと、毎回しっかり乾かせます。同じものを2つそろえやすいのも、100均ならではの利点です。

置き場所は、人の通り道やトイレから離れた、落ち着いて食べられる場所が向いています。器の下に滑り止めのマットを敷くと、食べている途中で器が動くのを防げます。

ただし、マットの端をかじる猫もいます。かじった跡や欠けを見つけたら、飲み込む前に片付けて、別の方法に切り替えてください。

水の器は、フードの器とは別に用意します。環境省のガイドラインは、いつでも新鮮な水が飲めるようにすることを求めています。

獣医師監修の解説でも、水は少なくとも1日1回は取り替えるようすすめられています。

器を替えても食べない、あごが荒れてきたときは

器を替えたあとに食べる量が落ちたら、まずは前の器に戻して様子を見ます。器の変化が合わなかっただけなら、それで食べ始めることがあります。

器に関係なく食欲が落ちている、吐く回数が増えた、元気がないといった様子があるときは、器の問題と考えずに動物病院に相談してください。ほとんど食べない状態が続く場合も、早めの受診が安心です。

あごに黒いブツブツや赤み、毛が抜けた部分がある、かゆがるといった変化も受診の目安です。動物病院のコラムでは、1週間たっても良くならないときやかゆがるときは、早めに連れて行くよう案内されています。

器以外の理由で食べないときの環境の整え方は、猫がごはんを食べないときの気持ちと対処法でまとめています。

器選びは、食べる姿を見ながら少しずつ

高さ、口の広さ、素材、そして裏の表示。この4つを売り場で確かめれば、100均でも猫に合った器を選びやすくなります。

最初の1つで決めきる必要はありません。食べ終わったあとの器や、食べている姿勢をときどき眺めて、合わないところを少しずつ直していきましょう。

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